DHC英日翻訳コース体験記

翻訳家を目指されている方にとって、どのようなステップを踏めばよいか、どのようなスクールに通えばよいか、色々と調べるのは大変だと思います。

さらに、翻訳家の場合、英語力を証明する資格であるTOEICや英検以上に、実務翻訳者としての資格が重視されるため、翻訳専門の知識やスキルが重要視されます。

ここでは、翻訳家になりたい方が一度は聞いたことがある「DHC総合教育研究所」について、ご説明します。

DHCは30年にも及ぶ、翻訳家育成の通信講座の老舗です。DHCと言えば、サプリメントの会社では?と思われるかもしれませんが、実は元々は翻訳関連事業が主体なんです。

それでは、実際の体験談や感想をご紹介しましょう。

貴方が知っている英会話や英文法が通用しない!

私は長らく英会話スクールに通っていましたので、日本語から英語へ訳す、或いは会話するのは特に問題ありませんでした。

しかし、英語に関する仕事へ転職したいという思いから、フリーの翻訳家の勉強を始めようと思い、DHCの通信講座を利用することにしたのですが、これがビックリしてしまいました。

何と、今まで英会話で勉強してきた内容では、到底、英語から日本語に翻訳出来ないのです!

というのも、翻訳の教材にも記載されているのですが、「座りの良い日本語」が翻訳では重視されます。簡単な文章で説明しましょう。

「He will come here.」という文章を日本語訳して下さいと言われたら、皆さんはどう訳しますか?

きっと、「彼は、ここに来るでしょう」と訳す方が大半ではないでしょうか。 しかし、実は前後の文脈によって、この訳し方が全く異なるのです。

翻訳例としては「彼は、ここに来る」や「彼は、ここに来るよ」等、断定した言い方で翻訳します。

「will」って「~するつもり」や「~でしょう」という推測の意味じゃないの?と、文法上思うかもしれません。

しかし、英日翻訳で問われるのは、文法以上に「日本語として、しっくりと来る文章になっているか」ということです。

そのため、あえて「ここに来ることが分かっているから、断定した表現でよい」と解釈され、断定表現が利用されます。

また後者は、「will」が本来「習慣」に関する意味を含んでいることから、「(よくorいつも)ここに来るよ」と訳されます。

このように、英日翻訳では今までの英会話や英文法が通じないことを、演習を通して学んでいきます。

翻訳技術は、今までの英会話スクールでの勉強とは、完全に切り離して理解・勉強していかないと、頭が混乱してしまうと強く感じました。

赤ペン先生に指導は本格的!

通信講座であるため、月に1回は課題を提出しなければなりません。 1ヶ月あたり5問程度の英文を日本語訳して、DHCに送付します。

その後、2週間程度で返送されてくるのですが、封筒を開けてビックリ!自分が、自身を持って翻訳した解答欄に、びっしりと赤ペンが書き込まれています。

もちろん、課題に取組む前に、翻訳演習を何度も復習して取組んだので、それほど多くの添削は入らないだろうと思っていましたが、解答用紙の隙間全部が真っ赤でした。これには、正直打ちのめされました。

この赤ペン添削を凄いと感じた点は、日本語の1字1句の使い方やニュアンスまで読み取って、日本語として滑らかに訳すにはどうしたらよいか、どのような表現がベターなのか、それらのニュアンスを表現する上で理解すべき英文法をおさらいしてくれるところです。

ここまでくると、この添削された解答用紙自体が教科書みたいになってきます。

英会話では、それほど苦労しなかったのに、英日翻訳になったとたん、これほど添削を受けるとは思っていなかったので、改めて翻訳そのものの技術やスキル、日本語能力自体のスキルが翻訳家には必要なんだな~と実感しました。

Newsweekは必要?

DHCには、ちょっと不思議な点があります。初めて、DHCに入会したした際に、初級コースを申し込むとNewsweekが6ヶ月分付いてきます。

最初は、翻訳の勉強になるから、良いかな~と思いましたが、正直段々と読まなくなりました…。

元々、英字新聞を定期購読していたので、沢山の英語を多読する必要が無かった私から見ると、Newsweekは不要では?と思いました。

まして、英語力や翻訳力が低い方でしたら、尚更、Newsweekは読まないのではないと思います。

この辺りの意図は、単純にNewsweekを買って貰うことだと思いますので、特に興味がない方からすると、費用が勿体無いと思います。

というのも、Newsweekが付いてくる分、費用も割高だからです。この辺りは、翻訳スキルが向上する雑誌や読み物等が付いてくるようにして貰う方が、私は翻訳家の卵達には有益だと思います。

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